編集の歓ちゃんが京都に居を構えた。
実は彼は十数年前、黒沢清、廣木隆一、若松孝二など当時最先端の幾多の監督たちからオファーを受け続け映画編集者としての絶頂を迎えるかと思われた瞬間に映画界からいきなり姿を消した「幻の天才編集者」であって。
でもそれとは関係なく、とてもプロ級に料理が上手く。
で、ある理由があって彼の新居は「キッチン泥船」という名前になり(別名を「カン亭」というがそれはそれでなんだか語呂がすごくエラそうなので誰もあえて使わない)。
今日は彼の引っ越し祝いということで、有吉、堰、福岡というロクでもないオヤジたちが集まって呑む。歓ちゃんの料理はやっぱり最高。
でもそこで交わされる話題は『正しく生きる』について。
やはり第3稿ではスピードアップしたぶん「桜」が甘くなっている…登場人物たちの生活感が消えている…この映画はどこに向かうべきなのか…堰やんが指導している漫才が成立し過ぎると「リアリティ」がなくなるのではないか…いやそうではなくてやはり完璧に「笑える」ストリート漫才として成立できるはずだ…いややっぱりキッチン泥船のメニューには鍋があるべきだ…俺はいろんな奴が「共有」する鍋の存在が許せないのだ…ちあきなおみは世界最高であり眠る前には彼女の英語版の歌を聴くべきなのだ…。
って全然『正しく生きる』とは関係ないじゃん。
料理は最高。ご馳走さま。
毎週来よう。キッチン泥船。
北白川派隠れスタッフルーム。
或いはどうしようもないいつかの夢の泥船。ごめんね歓ちゃん。
ともあれ、出航なんだね。