前言撤回およびトンカツについて

更新はやめると言いましたが、ごくごく一部「復活を期待します」などの言葉をいただき更新復活です。
そういう言葉に弱いボクなのでやっぱり書こうかなみたいな…。
しかもなんだか歓ちゃんのブログでは卓爾&歓がボクを夕食に誘ったにもかかわらず「撮影で胃が痛い」という理由でボクが断ったと書いているわけで、それではいかにもボクが繊細に神経を痛めているようですごくそれはとても不本意であり違うのではないかとやはり抗弁したい気にもなり。

誘いを断った理由は単に行き先が「トンカツ屋」だったということだけなわけで。だって「トンカツ」って結構しんどくない? って言うか意外とハードだよもうこの年になると。いや別においしいトンカツはおいしいと思うしトンカツを貶める気は全くないし、今日卓爾さんから「おいしかったっすよ」っていかにそれが素晴らしいトンカツであったのか詳細を聞いたりすると「ああぜひ今度は行ってみたいよね」なんて気にはなるわけですけど、でも昨日の時点ではちょっとどうだかって気分であり、だから「普通の飲み屋に行こう」って言ったんだけど卓爾さんが「いや明日は撮影だからディープに飲んでしまうとヤバいので」ってことになり、じゃあ俺はトンカツだったら行かないよ、って…。
実はディープに飲ませて今日の撮影でグダグダになってるところを見たいって陰謀だったわけですけど、さすがに卓爾先生はそのボクの罠には引っかからなかったってことなんですね(笑)

って…ゼンゼンわざわざ「更新復活」とかって書くほどのことでもなんでもなかったね…。

ハリ扇!

Mという兄弟がいる。
ホントの兄弟ではないが30年来の付き合いでいろんなことがあり、この年齢になって唯一心を許せる「兄弟分」なのである。
そのMが先週撮影現場に来てくれ、彼は和歌山に住んでいてなかなかそこから出てこないのでそれはホントに数年ぶりの再開であったのだが、揚句に「映画に使うてや」と、かなりの金を置いて行った。
バカである。

そのMから昨夜また電話があり(当然彼は酔っぱらっており)「その後どうやねん…」。
このブログも見てるようで「学生のことなんか考えたらあかん。ただ、おもろい映画を作ることだけしか考えるな」と叱られる。
出会った当時の彼は映画の制作部だったがその後様々なことを経てここ20年ほどは私塾の先生である。「学生が言うこと聞かんかったら殴ったったらええ。体罰があかん言うのやったらハリ扇でぶっとばしたったらええんや。それは体罰やのうてギャグやろ。いつもハリ扇持っとけや」…。

現場でハリ扇かよ…。

そんなこんなの合間に小川さんのブログを見る。
…「学生も疲れている」。
…学生はホントに疲れているのか。

こんな現場で疲れるくらいならみんな映画なんてやめてしまえと本気で思う。

今回はこれまでの北白川派の中で最も多くの日数をかけたスケジュールを組んでいる。予算がないにもかかわらずあえて日々の撮影スケジュールを「詰め込む」ことはせず、キャストは時間をかけて自分を作ることをでき、スタッフはラッシュを見て方法論を修正したりといったこともできるような余裕を作っている。
それは、このブログにも書いてきたように、スタッフキャストともに非常に今回はひとりひとりの参加意識およびその表現スキルといった面でハードルを高く設定しているので、とにかく少しでも時間をかけ、体力の消耗によって頭や心が働かなくなることを避けているのだ。半日で終わる撮影も多い。
当然日数が増えればそれだけ予算もかかるわけで、そこは北白川派役員の中でも賛否両論激しくあり論争検討があったがなんとか他の部分を削減することで認められて今回の、いわば若干「贅沢」な現場があるわけである。寒い現場から高原に戻れば暖かいケータリングも待っている。

にも関わらずホントに学生は疲労しているのか…。

これはただ学生を甘やかせているだけのことになっているのではないのか。

なんだそうだったのか…。

僕は、Mが言うように「ただ、おもろい映画を作ることだけを考える」方向に向かいたいと思う。
今更だが。

よってこのブログを更新することもやめます。
なんだかなんのために書いているのかわからなくなってきたので。

みんな出演…

編集の歓ちゃんのブログで、東北芸工大へ行くのに「北小路さんが遅刻」とあるが、映画批評家であり当学科の先生である北小路隆志さん、なんと2月9日と15日に「少年院の職員」という役で今回の映画に出演している。
学生の間では「コージー」と呼ばれて人気の高い北小路さん、さらにコージーファンが増えること必至(笑)。

15日には海象さんも同じく「少年院職員」として共演(二人の絡む芝居もあり)。
さらに14日には「介護施設の老人たち」として、いつもお世話になっている高原校舎管理スタッフの松本さん、今回の漫才担当の堰さん、おまけに録音の浦田さん、伴明さん、私までエキストラ出演。

その都度学生たちが「きゃーブログにアップしよう!」とかって写メなど撮りまくってるけど…いっこうにアップされる気配はなく…。

「金子」死す!

昨日今日と、学科の先生でもある水上竜士さん演じる「金子」が監禁されているシーンの撮影。
アクションもあったが無事終了。

シナリオ段階から想定していたキャスティングとは言え、本当に「金子」が水上さんで良かった。
ともすればステレオタイプに陥ってしまいがちな役柄を、ほとんど「縛られっぱなし」の状態でありながら見事にひとりの「男」として立体的に作り上げてくれた。

深く感謝。
情けない「ズボンションベン」までさせてしまってすみませんでした(笑)。

お詫びに終了後ビールでもと思ったのだけど、研究室に戻ったら今日がシラバス修正の締め切りだと指摘され…。
今は学科業務はほとんど伴明さんや山本さんにおっかぶせて知らんぷりをしてしまってるわけだがこれだけはそうもいかず…。

水上さん、ビールは必ず!

ニューラッシュ

ニューラッシュを見るたびに、ホントにほんの少しずつだが学生撮影スタッフの成長は感じる。
当然なのだが以前に比べるとある種の安定感さえ見える部分もあったり。
技術的スキルだけでなく、一部の学生は現場で役者の何を見つけどう対応するかを感覚として掴みかけてきたようにも思える。
そういったことは今回の北白川派の狙いであるので喜ばしい気持ちではある。

しかし、その映像が、プロフェッショナルな仕事と並んで劇場の観客の目に耐え得るところまで本当に到達しているのか…。我々はそこまでしっかりと学生を導くことができているのか…。

同時に、その「安定」した映像は本当にこの『正しく生きる』のルックとして適切なのか。
本来はもっと、対象にぶつかっていくような「危なっかしくて」「生々しい」映像が今回求められるルックなのではないのか。
登場人物たちの心の震えを捉え、観客に何かを発見させ、さらにその心を震えさせる映像…。

それは学生に委ねて済ませるべき領域ではない。我々のすべき「計算」なのだ。

我々はそれを緻密に計算して映画を組み立て、さらに同時に、確実に学生を成長に導かなければならない。

「柳田」と「白石」

昨日は、「バーGOSPEL」の撮影。

「すごく仲いいんだけど、実は共演ってほとんどないんだよね」と仰る柄本明さんと、岸部一徳さんが、目の前で「白石」と「柳田」を演じる。なんて贅沢なキャスティングだろう。
監督として至福のときである。
そこに学生キャストの「桜」が割り込んでくるシーン。
彼女にはこの経験を、カメラには映っていない一徳さんと柄本さんが待つテーブルに向かって歩いて行ったときの気持ちを、絶対に忘れて欲しくないと心から思う。

今回の撮影はこれにて終了の柄本さんと、伴明福岡で軽く食事に。
やや酔いもきたところで、現場での「よーいスタート」って掛け声についての話。

「よーいとスタートの短い間にドラマがあるんだよ」と、柄本さん。
「よーいとスタートの間に、ほんの少しだけ希望を感じる」と、福岡。
「お前ら、よーいスタートのたびにそんなこと考えとったら早死にしてまうで」と、伴明さん。

…。

「朝雄」と「優樹」

二日目の撮影も無事終了。

その後、連日のようにある「漫才チェック」。

朝雄と優樹のコンビは当然もともと漫才コンビだったわけでもなんでもない。
一人は今年の卒業生、一人は二回生、ともに今回のオーディションで残った二人。
その二人が、それぞれの「役作り」とはまた別に漫才コンビとしての完成度を求められる。
二人は毎日稽古を重ね悶え苦しんでいる。

その漫才がようやく面白くなってきた。
漫才の中にようやく「朝雄」と「優樹」が見えてきた。

ただの「ネタ」ではダメなのだ。
「朝雄と優樹が切実にやりたいと思っている漫才」で人を笑わせないとダメなのだ。

明後日が漫才シーン一発目の本番。

乞うご期待!

現場が近くていいんだけど

今日も撮影現場は学科校舎のすぐ近く。
映画学科はホントに住宅街の中にあるので実は常に「近隣対応」に細心の注意を払わねばならない。
けっこういろんな苦情も多いわけですよ。
そこで活躍して下さってるのが、学科に来ていただいている昼間の「管理担当」、夕方からの「警備担当」の方々。
常に我々と一緒に学科を支え、我々教職員が気づかない部分までフォローしてくれている。
警備担当の服部さんからは現場に差し入れまで頂戴し、今日は僕の腰を気遣ってマッサージ器具を持ってきて下さった。

みんなが「映画学科」なんだよね。
多多謝!!

皆様にご心配をおかけしております。
帰り際にも学生に、気をつけてねなんて言われ。
申し訳ない。

しかし、昨日伴明さんの口利きで、よく食事に行く「旬菜いかわ」の大将が紹介してくれた鍼の先生のところに今日も行き…なんだかほとんど良くなったかも、です。
すごいね! 人生で今回が初めてだったけど鍼は…って、あの先生がすごいのか。
多多謝!

「いかわ」さんは今回「海象チーム」とはまた別にケータリングでもお世話になります。
多多謝!

本日の昼食は海象ケータリングチームによる中華丼。おいしかった!
撮影の時はとにかく食い物が大事なんです。
多多謝!

で、腰はなんとかなりそうなんだけど、パソコンがいかれ…。本日修理に出し。
今タブレットで打ってんだけどどうも慣れないので思うように打てません。
申し訳ない。

とか言いつつ、明日は二日目だ!

クランクイン

本日無事クランクイン。
無事に入ることができたことがまず何より!なのです。
皆さんのおかげであります。

で、今日はワンシーンで予定通りに終了。
 
なんて贅沢なんだ!

学生のみんな、これは決して君たちを甘やかしているわけではないのだよ。
君たち全員、ひとりひとりが「考える時間」を充分に取ろうと、予算のない北白川派では本来は許されないこういうスケジュールを組んでいるのだよ。
君たちが考えなくなった瞬間、後半のスケジュールはすぐさま半分に縮減されるのです。

今年の北白川派は「与えられる」ものではない。
君たちは考え続けなければならない。

腰が

昨日の夕方突然腰が痛くなった。

普段は腰痛などまったくお付き合いがないし何かことさらに重いものを持ったりしたわけでもない。

のになぜ?

一晩明けたらよくなってるかもなんてタカを括ってたけど。
動けないし。
やばいじゃん。

あと一日

クランクインまで「あと三日」「あと二日」「あと一日」「クランクイン!」…って感じで更新していこうと思ってたのだけど昨日はその余裕がなく。
授業の成績付けも締切が迫り。

昨日は現場リハーサルのラッシュや漫才など。
ラッシュを観て、各パートの学生が自主的に集まり「チーフ会議」が開かれ、なんだかみんな深刻な顔で遅くまで話し合っていた。
朝雄と優樹コンビの漫才もずいぶん面白くなってきたがあともう一歩。もっと過激に。もっと「朝雄」と「優樹」の切実な気持ちを。

今回の北白川派は本当に、学生自身の創造性に対して求める部分が大きい。
学生にとってのハードルは高い。

それでも我々は(僕も含めて)既にこの『正しく生きる』という映画に召喚されているのであり、そして明日からさらにその映画の姿を追い求め続けねばならない。

さあ、やってみようぜ。

あと3日で

2月5日のクランクインまであと3日。

今日は朝から「お祓い」「オールスタッフキャストミーティング」実際の撮影現場での「リハーサル撮影」「漫才チェック」…という予定。

あと3日だよ…。

それでもホントに日々、越えなければならない問題や事件が立ち塞がってくる。
演出部の学生たちはここのところ毎日泣いている。

ああ、泣けばいいよ泣けば。
泣く子は育つんだから。
負った傷の数が増えるたびに、人に対するまなざしが優しくなっていくんだから。

って、オジサンは泣けないからつらいよね。

決定稿!

けっていこう…と打ち込むと「蹴って行こう」と最初は出るのだよ。
蹴っちまいたい全て…。

オフィシャルサイト移行を記念してというか実はすごく遅くなってしまいスタッフおよび関係諸氏をやきもきさせてしまったが、決定稿が上がりましたのでアップします。

同時にキャスト表もアップしたかったのだけどこれはいましばしお待ちを。