Mという兄弟がいる。
ホントの兄弟ではないが30年来の付き合いでいろんなことがあり、この年齢になって唯一心を許せる「兄弟分」なのである。
そのMが先週撮影現場に来てくれ、彼は和歌山に住んでいてなかなかそこから出てこないのでそれはホントに数年ぶりの再開であったのだが、揚句に「映画に使うてや」と、かなりの金を置いて行った。
バカである。
そのMから昨夜また電話があり(当然彼は酔っぱらっており)「その後どうやねん…」。
このブログも見てるようで「学生のことなんか考えたらあかん。ただ、おもろい映画を作ることだけしか考えるな」と叱られる。
出会った当時の彼は映画の制作部だったがその後様々なことを経てここ20年ほどは私塾の先生である。「学生が言うこと聞かんかったら殴ったったらええ。体罰があかん言うのやったらハリ扇でぶっとばしたったらええんや。それは体罰やのうてギャグやろ。いつもハリ扇持っとけや」…。
現場でハリ扇かよ…。
そんなこんなの合間に小川さんのブログを見る。
…「学生も疲れている」。
…学生はホントに疲れているのか。
こんな現場で疲れるくらいならみんな映画なんてやめてしまえと本気で思う。
今回はこれまでの北白川派の中で最も多くの日数をかけたスケジュールを組んでいる。予算がないにもかかわらずあえて日々の撮影スケジュールを「詰め込む」ことはせず、キャストは時間をかけて自分を作ることをでき、スタッフはラッシュを見て方法論を修正したりといったこともできるような余裕を作っている。
それは、このブログにも書いてきたように、スタッフキャストともに非常に今回はひとりひとりの参加意識およびその表現スキルといった面でハードルを高く設定しているので、とにかく少しでも時間をかけ、体力の消耗によって頭や心が働かなくなることを避けているのだ。半日で終わる撮影も多い。
当然日数が増えればそれだけ予算もかかるわけで、そこは北白川派役員の中でも賛否両論激しくあり論争検討があったがなんとか他の部分を削減することで認められて今回の、いわば若干「贅沢」な現場があるわけである。寒い現場から高原に戻れば暖かいケータリングも待っている。
にも関わらずホントに学生は疲労しているのか…。
これはただ学生を甘やかせているだけのことになっているのではないのか。
なんだそうだったのか…。
僕は、Mが言うように「ただ、おもろい映画を作ることだけを考える」方向に向かいたいと思う。
今更だが。
よってこのブログを更新することもやめます。
なんだかなんのために書いているのかわからなくなってきたので。