先週10日のリハーサル後に、学生キャストの最終決定が行われた。
前にも書いたが、ことに男子のキャストには最後まで「セレクション」の意味合いがあったので、本人たちはつらかったと思う。
それでも決定しなければならない。
オーディションからリハーサルへとずっと付き合ってきた演出部の学生たちからもいろんな意見が出る。
そのあとの教員同士でのミーティングでもさまざまな検討がなされた。
で、11日のオールスタッフミーティングで発表。
すぐに、「選ばれなかった」学生たちに集まってもらい、話をする。
誤解を恐れずに言えば、「選ばれた人たち」より「選ばれなかった人たち」のほうが大事なのだ。
その役に選ばれなかったからと言って、彼らとここで「さよなら」というわけではない。
オーディションから含めて、参加する意志を持ってくれたすべての学生の力がこの映画には必要なのだ。
映画の中に登場する「人物」というのは、たとえ一瞬しか映像には映らない、或いは声だけしか登場しない、ということであっても、その全員がそこに「当たり前」に存在していなければならない。そこに登場する全ての人物が、それぞれの人生の主役であり、どの人物をとってもそこでひとつの物語ができるような存在でなくてはならない。「フレームを埋めるためにただ横切る」わけでは決してないのだ。
さらにその後12日に再度演出部で会議、ほとんどの学生キャストが固まった。
彼らひとりひとりの持っているものを、どうやってこの映画に反映させていくか。
同時に、この映画に関わることが少しでも彼らの成長につながったということにしていかなければいけない。
と言うか、ひとりひとりが確実に何かを獲得し成長していって欲しい。
全員参加の北白川派。
それがこの映画を立体的に創りあげていく。