昨日、福岡組は無事実景を撮り終え、全てにおいてオールアップした。
しかしこのブログに関して言えば、撮り終えた素材がいつの日か作品へと変わるまでさらに更新を続けていかなければならないと思っている。
つまり、ブログにクランクアップはないかもしれない。
当初はどれだけ忙しくなっても面倒になってもできる限りアップしなければいけないと使命感に燃えていた。
なぜなら、こんな事でもその積み重ねがいずれ配給にも繋がると信じたからだ。
実際、スタッフとして関わる学生以外の人たちからも「いつも読んでますよ」とか、「次の福岡組、面白そうですね」なんて言葉を貰った。その度にくじけそうな心も弾けとんだ。
現場ではどんな事が起こっているのか、今日は何があったのか、運転と雑用に走る僕には現場がどうなってるかはわからない。ほぼ98%現場を覗く事はできなかった。
だがそれでも身近にいる出演者や学生スタッフの顔を見ていれば今日の撮影がうまくいったか否かは想像できた。
現場を見れなかったのは僕だけではない。プロデューサーも制作主任も制作部も皆現場に何が起こっているのかなんてトランシーバー越しでしかわからない。シーバーを持ってない者は想像するだけだ。
しかし、映画ってそんなものだと思う。「本番行きます!」の声に車に向かって走り始める制作部。
「すみません、いまこの先で映画の撮影をやってまして……」
ペコペコ頭を下げて車を停めても運転手は次第に不機嫌になって罵声を浴びせ掛け始める。
「すみません、すみません。もう少しですから」
どれだけ謝ってもやがて車は動き出す事もある。
見ていて胃が痛くなる光景だ。彼ら制作部は現場でカメラやカチンコを鳴らすスタッフと同じだけ命を張って働いている。
これが映画だ。
映画はいつの間にか出来上がったりはしない。多くの人たちのまさしく血と汗と涙の結晶によって生まれるものだ。
おっと、写真の二人の事を忘れていた。
少年院から逃亡した朝雄役 浜島正法とその彼女である未夢役 杉本瑞季。
二人の現場がどうだったかも僕は知らない。
ただ、この打ち上げでの二人の表情を見ればどれだけ必死だったかは想像できる。
これが、映画だ……。
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