とても良い映画だった。
僕の事務所の先輩や「正しく生きる」で弁当屋の店主役だった祥平ちゃんも良い役で出演していて嬉しくなった。
祥平ちゃんからは、福岡組の撮影時に「一番良い印刷工たちとのシーンがカットされていてあまり目立たないんです……」と聞いていたが、嘆く必要なんてない。十分に物語の中に生きていた。
そしてクライマックスで辞書が完成し、出版パーティーのシーンで驚いた。
なんと、配給の有吉さん(映画学科非常勤講師/マジックアワー代表)が出てるじゃないか!
映画も良ければ役者じゃない有吉さんの演技も素晴らしく思えてしまった。
いや、有吉さんは本当は役者だったのかもしれない。
とにかく、映画は役者全員の芝居をしっかりと抑え、誰も暴走する者がいない。
ところどころにあるユーモアは石井監督の得意とするところだろうか、その人間くささが功を奏して後半ではふとしたところですっーと涙が頬を伝った。
この週末何を観ようかなと思っている人、邦画だったら「舟を編む」を勧めます。