劇場からの声

久々のブログ更新。全てはボクの怠惰です。

福岡監督、編集のカンさんと3人でこの『正しく生きる』サイトを立ち上げてから10ヶ月。個人的にも会社的にも、紆余曲折、毀誉褒貶、色々とありましたが、やっとこのサイトに”劇場からの声”コーナーを設置し、まだ限定的だけど上映劇場の支配人たちの映画に対する率直な意見をアップ出来るところまで来た。うれしい。映画配給・宣伝の、ここがやっとスタートライン。予定より半年位遅れちょります。すみません、監督。

ちょっとだけ、経緯を書いておきます。そもそも『正しく生きる』は宣伝予算がない上に、現在の興行の状況を考えると、この題材&企画はむしろ観客を拒否しているとも言えるほど難しいテーマを扱っている。この映画を、まだ見ぬお客様に正しく届けるために、ヒットの可能性を広げるために、やれることはなんだろうと考えたのが最初。そうだ、みんな(作る人も、配給する人も、興行する人も、宣伝する人も、当然観る人も)を、映画制作段階から巻き込んで行けばいい、そのためにみんなが参加出来るサイトが必要、ってんで、カンさんがこの公式サイト(今の段階ではほぼブロクだけだが)を作ってくれたのだ。

配給をやるボクとしては、何よりもまず、上映をする映画館が、この映画を一緒に作っている気になって公開まで一緒に走ってくれる。そういうように出来るかどうか。そのために、監督には、脚本をサイトにアップしてもらう、ラッシュ段階の映像を劇場にも観せて意見をもらい編集に反映する、なんて無茶な要望をOKしてもらった。逆に興行側(東京・シアターイメージフォーラム、京都シネマ、大阪第七藝術劇場、名古屋シネマテーク、札幌シアター・キノ)には、まだカケラもない映画の上映を決定してもらうという無理を聞いてもらった。

ということで、編集ラッシュをまずは観てもらっての最初の率直な意見が、サイトの”Voice from The Theater” に掲載の、イメージフォーラム、七藝、シネマテークの各支配人たちのもの。支配人たちの性格まで見て取れる、とても貴重な意見。

写真は編集ラッシュ第2弾のDVD。支配人たちに観てもらったのはこの前のバージョン。すでに実はセミオールまで編集が進んでいる。支配人たちにもらう意見より、編集スケジュールのほうが早く、今日やっとこの第2弾編集バージョンを映画館に送れた。このスケジュール感は、なかなかに難しいぞ。

 

陣中見舞い

ベルリン映画祭のマーケットから何の成果もなく戻ってきて、2月23、24日、やっと京都の『正しく生きる』撮影現場に顔を出すことができた。それから既に2週間近くが経ったのだが、今頃その遅すぎる報告を。

写真は、ちょっとピンぼけだけど、撮影準備中のセットの片隅で、孤独に居眠りをする高橋伴明制作担当でございます(笑)。

で、この映画における肩書から言うと、ボクはプロデューサーなので、陣中見舞いというのも正確に言うとおかしいのだが、まあ東京にいて(大半はベルリンだったけど)なかなか京都の現場に顔を出せなかった名ばかりプロデューサーとしては、やっぱり陣中見舞いという感じだったわけだ。木村屋のあんぱんもそれなりに喜ばれたしね。現場はもう終盤に差し掛かっていることもあり、学生スタッフは緊張感の中にもいい感じの余裕(本当は無いのかもしれないが、なんて言うかスタッフが嬉しそうな感じ)が出てきているように思えた。2日めの外の撮影では、ボクもちょっとだけ参加させてもらった。福岡監督の張りのあるスタートの大声も心に響いたし、やっぱ現場はいいなぁ。一徳さんの演技はもちろん素晴らしかった。

初日の晩飯はプロデューサーとして制作担当の伴明さんにおごってもらい(笑)、2日目はキッチン泥船でのカンさんの手料理を満喫の上、お泊りまでさせていただいた。久しぶりに福岡監督ともゆっくり話せたし、撮影済みラッシュの一部をカンさんに見せてもらって、映像と演技の力強さに(今回の学生キャストの演技もとてもいい)なんかちょっとホッとする感じがあって、いい具合に酔っ払って最後の方はよく覚えておりません。

福岡監督、もうすぐ撮影終了ですね。最後までファイト!

 

インしたんですよね?

東京にいると、京都のことが全く分からない。当たり前だけど。福岡監督、インしたんですよね。なんか、置いてけぼりをくったような、寂しい気分でパソコンの前にいるアリヨシでございます。

年が明けてからの1ヶ月は、もう怒涛のように過ぎてしまった、忙しくて。年始めは、毎年恒例のマジックアワーフィルムアカデミーというNYの学生たちを迎えての短期集中映画講座。今年はこれの途中でギックリ腰をやってしまった。1月唯一の休みだった、あの大雪の日。休むどころか、ベッドから動けず、トイレは匍匐前進。3週間経ったのに、まだ痛みが完全には引かない。

それから、13回忌に合わせての、『甦る相米慎二』という相米監督全作品上映+αの企画と宣伝協力。ユーロスペースの2週間で28個のトークショーを開催した。おそらく空前絶後の豪華ゲスト。写真はそのサイン入りポスター。すごい。みんな、相米慎二が嫌いで好きなんだ。若い観客がいっぱい来てくれて嬉しかった。ボクの中でもソーマイさんに対して一区切り。

今年のマジックアワーの命運を握るルーマニア映画『汚れなき祈り』(3月16日初日@ヒューマントラストシネマ有楽町)の二人の女優さん(去年のカンヌ映画祭で主演女優賞を二人で受賞)が、本日来日。明日からの2日間、取材がギッチり。唯一自由な時間がある今日は浅草に行って、和服着てお茶のお点前やってるはず。で、もうすぐ、関係者で集まって歓迎会。それまでに、このブログを久しぶりに更新中。というわけでした。

おまけに、ボクは明日ベルリン映画祭のフィルムマーケットに出発なのだ。

帰ってきたら、『正しく生きる』の撮影現場に、必ず顔を出します、福岡監督。腰の具合はいかがでしょうか。京都と東京は(ベルリンは更に)遠いけど、腰痛の連帯感は何者にも負けないくらい強いぞ(笑)。お互いファイト!でございます。

あ、それから、とっても大事なことを最後に。

『正しく生きる』、東京では来年の夏、シアター・イメージフォーラムでの公開が決定!!! イメフォで『愛してよ』の弔い合戦だ。お富さん、ありがとう。大ヒットさせます。